長い文章の構造

(「英語対訳で学ぶ日本-歴史と文化の111項目」(育鵬社)の060「富国強兵、殖産興業、文明開化」Rich Country, Strong Military; Promotion of Industry; Civilization and Enlightenmentから)

【1】原文

These modern industries supported by the Japanese national character, excelling in skills and industriousness and cultivated since the Edo Period took root in Japan and private-sector capital grew.

語彙:take root〔植物が〕根付く 〔習慣などが〕根付く

【2】疑問:一見、全体が1つの文章のように見えるが、どのような文の構造になっているか?

【3】検討

文章中に動詞の数が多く(「supported」「excelling」「cultivated」「took」)、しかも「and」x3回と「since」が挿入されているため、全体構造が分かりにくい文章となっている。まず、全体を2つの文章に分け、それぞれの文章を検討する。

1.1つ目の文章「These modern industries …took root in Japan」まで

(1)骨格

主語 These modern industries (supported by …)

述語 took root in Japan

要するに、「これらの近代産業は、日本に根付いた」が1つ目の文章の骨格になっている。

(2)supported by…以下

① These modern industries supported by the Japanese national character(日本人の国民性によってsupportされたthese modern industries)

② the Japanese national character…以下を関係代名詞を補って理解すると、

the Japanese national character which had been excelling in skills and industriousness

(技術と勤勉さにおいて優れていた日本人の国民性)

and the Japanese national character which had been cultivated since the Edo Period

(江戸時代から培われてきた日本人の国民性)

(3)1つ目の文章の全訳

「技術と勤勉さにおいて優れ、江戸時代から培われてきた、日本人の国民性によって、支えられたこれらの近代産業は、日本に根付いた。」

2.2つ目の文章「private-sector capital grew」(民間部門の資本は成長した。)

(1)骨格

主語 private-sector capital

述語 grew

2つ目の文章は、1つ目の文章に比べ極端に短く、また主語の名詞「(and) private-sector capital」に冠詞が付いていないので、and以下が1つ目の文章の一部を構成するような外観を呈している。したがって、「private-sector capital grew」を1つの完結した文章として捉えづらい面があると思われる。

「private-sector capital」に冠詞も複数sも付いていない以上、ここでの「capital」は不可算名詞である。多くの名詞がそうであるように、「capital」は意味によってC(countable)になったり、U(uncountable)になったりする。ジーニアス英和大辞典によれば、「capital」には少なくとも以下の3つの意味があり、Cであったり、Uであったりする。本文章の脈絡においては、「capital」は「資本」を意味するから、不可算名詞として扱われる。

1 C 首都

2 C 大(頭)文字

3 U (時にaの不定冠詞)資本(金)

以上

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