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<北京・洛陽紀行>2019年11月5日(二日目)

更新日:2020年2月12日

(by S. Miyauchi, Professional Engineer, Doctor of Engineering, JSME Fellow)


 5日の北京も真青な空と暖かな日射、清の離宮だった清華大学構内のイチョウは真っ黄色に色付く。鄭さんにご案内頂いた清華芸術博物館の「与天久長、周秦漢唐文化と芸術特展」(長安展)では秦、漢、唐の盛時の文物、青銅器や金龍、兵馬俑の弩兵や将軍像、唐三彩等を見学。

 更に通常展示も興味深かった。文人の書斎は静謐。清の宮廷衣装は12単衣の様な重ね着もあり、鄭さんとその数を数えると11単衣。その華麗な色合の様々の衣装を見て、まだこれらが残っている事にビックリ。同時に、乾隆帝の清の盛時の後、中国人が「中国の屈辱の始まり」と言うアヘン戦争(イギリスの侵略)以降の激動の時代を思った。また青磁等の陶磁器や書画、更に現代中国美術の展示も興味深かった。また折しも、和鏡の展示もあり、その大名道具の優美な花鳥風月に、17世紀初頭から19世紀中葉までの250年間の日中韓による「極東の平和」(PaxExtremoOriente)を思った(その間、欧諸国は周辺国と戦争や併合。また世界を植民地化)。

 頤春路近くのクラブハウスで、羅先生、鄭さんの4人での昼食と懇談。午後は招待講演、夜は研究室による 歓迎会、学生との交流も楽しかった。今日も北京は 9 月下旬の陽気、部屋は深夜も25以上あるが、11月に冷房がかかる筈も無し。更に招待講演や学生との懇親により退職以来、久しぶりにテンションが上がり興奮したので寝付けず。更に明日は中国文明の中心・中原の洛陽、「与天久長」の長江文明以来の1.2万年の文明連続体の歴史に思いを馳せていると、逆に現代文明の危うさに意識は転換。こうなると一層、寝付けず「IT は前振りの御託が多く、中身・実効性は少」(約30年間のCFD・CAE担当者としての実感)「手 間がかかり、使うよりも使われる事に」(IT会社は取説オンライン化で手離れを良くし、また不具合を互いに転嫁。またIT大好き坊やを産む)「馬鹿力(高速大容量)のコンピュータにも、AI なる小知恵がついたが所詮、人の経験知・類推・帰納は越えず」「グローバル化は allovertheworld では無。日本の場合はアジアへの選択と集中。21世紀はアジアと科学の時代」 「プロバイダやSNS、ネット通販等、IT会社はユーザーの絶対数が勝負。米中はその囲い込みに躍起。米はGDPの70%を叩き出す自国消費者3.3 億人、中国は14 億人」「IT 企業もユー ザーに近い方が勝ち(ハードよりソフト)。ユーザーの司祭として、その神の声をいち早く聞き、更に恣意的に代弁」 「株のネット取引は自然界だけでなく社会現象にも必ずある熱的微小擾乱から価値を取り出す第2種永久機関、即ちネット上のマクスウェルの悪魔。実体経済から実体価値を吸上げる」「ビットコインは各国の管理通貨制度を破壊、投機やインフレを招き、実体価値を損なう」(さすがに各国政府もそれに気付いた?)「北京の蝶の羽搏きがNYの嵐は、気象では絵空事だが、インターネット上の情報や経済ではありうる」(減衰や時間遅れが無く、また非線形、加振力も働くので、自励振動、更には発散)「人や物等の実体価値が第 1、情報や IT は 2 次的。人や物が無ければ、これらに価値は無」「実体(衣食住品。勿論、人も)はアナログ」等が頭をよぎる。更に「SNSのworldwide井戸端会議には、沢山のパンドラの箱。常にオ-ルマイティのスペードの 1 とジョーカーの5カードのイカサマポーカー野郎の、安酒場でのオタ話の様な話が氾濫」等々が頭を過る内に、漸く眠れた。













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