(「英語対訳で学ぶ日本-歴史と文化の111項目」(育鵬社)の072「パリ講和会議と人種差別撤廃」The Paris Peace Conference and the Elimination of Racial Discriminationから)
【1】原文:
The Japanese representative proposed to the conference that the “elimination of racial discrimination” be incorporated into the League of Nations’ charter.
語彙:elimination排除、撤廃 racial discrimination人種差別 League of Nations国際連盟1920~1946年
【2】質問: なぜbe(原形)なのか。
【3】検討:
提案(propose, suggestなど)、要求(demand, requestなど)、願望(wishなど)の動詞の後にthat 節が来る場合、助動詞should(~すべき)が省略されているように、見える場合がある。
しかし、以下の【4】深掘りの結果、これは決して、shouldが省略されているのはではなく、文法的なアプローチの相違に由来するようです!!!
示唆する…suggest to him that he (should) do …
要求する…demand that he (should) do …
望む…wish that he (should) do …
【4】深掘り:that節の中で使う仮定法現在
なぜ、shouldがあったり、なかったりするのか。疑問です。
それは、「仮定法現在」という文法が関係しているようです。
このサイトの情報をそのまま引用します。
「that節の中で使う仮定法現在
例文 The teacher suggested that he study math at college. 先生は彼が大学で数学を学ぶように提案した。
・insist ・demand ・suggest ・propose
などの、「提案・要求」などを表す動詞の目的語になる that節では仮定法現在(動詞の原形)が使われます。「彼が大学で数学を学ぶ」というのは「まだ実現していない、話し手の頭の中の話」なので、仮定法現在で表すというわけです。
「提案・要」などを表す動詞の目的語になる that節では仮定法現在(動詞の原形)が使われます。「彼が大学で数学を学ぶ」というのは「まだ実現していない、話し手の頭の中の話」なので、仮定法現在で表すというわけです。」
以上より、shouldがない場合は、that節で仮定法現在(動詞の原形)が使われているためと理解できます。
一方、
「イギリス英語では「should + 動詞の原形」の形を使うことが多いです。先ほどの例では、The teacher suggested that he should study math at college.となります。
要求や提案などは「~すべきだ」、上記の例文で言うと「学ぶべきだ」という意識でされますよね。should が使われるのはそのためですね。これは助動詞の should が分かっていれば納得できると思います。」
以上より、shouldがある場合は、「~すべき」というニュアンスは強めるために、敢えてその意味を表す助動詞shouldを使っているためだと理解できます。
なぜ、shouldが省略されたり、省略されなかったりするのか。
上記のサイトからの理解をまとめると、
① shouldがない場合(省略されているというより、そもそもない)⇒仮定法現在の用法
② shouldがある場合⇒助動詞should + 動詞の原形
となるようです。
上記のサイトの情報によれば、
「誤解されている人が結構多いところなのですが、仮定法現在(動詞の原形)の表現は should が省略されているというわけではありませんので注意して下さい。(むしろ逆で、 should を使う用法が後に出来ました)」とのことです。
要するに、②のようにshouldを用いる表現は、いつから知りませんが時代的に新しいのですね!
以上
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