(「英語対訳で学ぶ日本-歴史と文化の111項目」(育鵬社)の083「アジアの独立」Independence for Asianから)
【1】原文:The significance of this Japanese achievement is, as English historian Arnold Toynbee writes, “to prove that Westerners, who ruled Asia and Africa, thought for the last 200 years that they were invincible demi-gods, but it proved they were not in the eyes of non-Westerners.”(テキスト参考訳文:この日本人の功績の意義は、「アジア・アフリカを支配してきた西洋の帝国主義者たちが、過去200年間そう思われてきたような神格化された無敵な存在ではないことを、日本人は他の人種の人々に証明した」ことであるとイギリスの歴史家A・トインビーは述べている。)
【2】質問:引用文の構造は?
【3】検討:
1.本文全体の構造
「as English historian Arnold Toynbee writes」の挿入節を省くと、本文全体の構造はシンプルである。
The significance of this Japanese achievement is, “~”.
すなわち、「日本人の功績の意義は、~引用文~である。」
2.引用文の構造
(1)当該引用文は、「to prove that」から始まっているが、実際は、「… to prove that」であり、「to prove that」の前に何らかの文章が置かれている。どのような文章が省略されているのか、「but it proved~」との脈絡で推測してみるが、なかなか推測できない。
このため、引用文について構造を(小職の実力不足のため)解析できない。
(2)「to prove that」以下は、通常「主語+述語」が続くべきである。
① 主語は上記の下線部である。すなわち、
Westerners,(西洋人)
who ruled Asia and Africa, (アジアとアフリカを支配したところの西洋人)
(being) thought for the last 200 years that they were invincible demi-gods,(過去200年間、無敵なdemi-godsと思われてきたところの西洋人)
⇒まとめると、「アジアとアフリカを支配し、過去200年間、無敵なdemi-godsと思われてきた、西洋人」である。
② 述語は?
上記の主語に対応すべき述語が形式上?存在しない。but以下の文章「but it proved they were not in the eyes of non-Westerners」(しかし、そうではないことを非西洋人の目に日本が証明した)
が続くのみである。
③ そこで、無理矢理感は否めないが、「but it proved they」が逆説の強調のために挿入されていると考えて(このような用法があるのかは不明)、引用文全体を以下のように解することはできないか。
“to prove that Westerners, who ruled Asia and Africa, thought for the last 200 years that they were invincible demi-gods, (but it proved they) were not (so) in the eyes of non-Westerners.”(「アジア・アフリカを支配し、神格化された無敵な存在であると、過去200年間、思われてきた西洋人は、そうではなかったこを、非西洋人に証明したこと」
3.上記の解析は文法的に疑問ありです。原文の構造を正しく解析できる方、または引用されているArnold Toynbeeの原文全体をご存知の方は、当所までご連絡お願いします。
以上
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